8人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「今日からうちの学校に転校して来る事になった生徒を皆に紹介します。」
神崎がそう言うと惇が言っていた通り、女の子がドアを開けて教室に入ってきた。
「皆さん、初めまして…」
緊張した様子でその子は黒板に自分の名前を書き記す。
……んっ!?よく見れば見るほど今朝僕の前で転んだ女の子にそっくりだ!!
皆川 詩織(みながわ しおり)
それが彼女の名前だ。
名前を書き終えると彼女は、自己紹介を始めた。
「私は、皆川詩織と申します。急な親の都合で高校3年から転校して、まだ全然この学校の事と皆の事とか分からない事がいっぱいあるんだけどよろしくね。皆、仲良くしてね♪」
詩織は緊張している様で明るかった。神崎が僕の隣りの席を指差し、詩織はこっちに向かって歩いて来た。
「あっ…」
詩織は僕の顔を見て立ち止まった。
「まさか転校生だったとは…」
僕も驚きを隠せなかった。
「さっきはありがとう!!まさか隣りの席だとはね♪よろしくね!!…名前教えてくれる??」
「俺かい??俺はね…」
要田 拓哉(かなめだ たくや)
それが僕の名前だ。
珍しい名字だと…初めて話した人からは言われる。
「へぇ~、今日からよろしくね!!」
詩織は席に着いた後ニッコリとしてこちらを向いていた。
最初のコメントを投稿しよう!