序章

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師走のこの時期は、いつだって何処でも人だかりだ。 それにあんなにデカイ図体じゃ、追いかけたくても追いかけられまい。 恨むなら、俺ではなくて、そんなにブクブクと太りやがった自分の事を恨むんだな。 すいすいと人ごみの間を駆け抜けて、あっと言う間に俺は大通りへと走り出た。 ふんっ・・・今頃あの親父、顔を真っ赤にして地団駄踏んで悔しがっているだろうな。 そう思って少し笑った。
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