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次回のスタジオの予約を入れて、俺達は解散した。
「うー…寒…。」
寒い夜道をリナと二人で歩く。
「…お前さ、バレンタイン誰かに本命やる気なの?」
「そうだよ。ヤキモチ?」
「ちげーよ。」
俺がそう言うとリナはけらけら笑った。
リナは俺達のバンドのヴォーカルで、看板娘みたいなもんだった。
長くて真っ黒なストレートヘアに気が強そうな切れ長な目。
黙っていれば普通なのに、喋ると女とは思えない発言ばかりだった。
「お前が男に興味持つなんてなぁ…。」
「うるさいなぁ。あたしだって一応女だもん。」
「自分で一応とか言うなよ…。」
俺は思わず笑ってしまった。
「…あ、雪だぁ…。」
頬に冷たい感触がしたと思ったら、粉雪が降り始めた。
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