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私には大好きな人がいます。
彼を見ただけで幸せな気分になります。
彼は町で有名な大富豪です。
私はお金が目当てじゃありません。
他の人はそうかもしれないけど私は"彼"が好きなんです。
私の家は彼の屋敷の近くなので時々彼の屋敷を見ては溜め息をついていました。
夜に屋敷の前まで行きますが告白する勇気が無くていつも後戻りしてしまいます。
両親に
「近頃町で若い娘を狙った猟奇殺人が増えてるんだから夜に出歩くのは止めなさい。」
と言われましたが夜になると私の足は勝手に屋敷へと向かっていました。
ある晩いつものように屋敷に向かうと彼が出てきました。
どうやらお出かけのようです。
私は後ろを向いて彼が通り過ぎるのを待ちました。
足音は遠くならず私に近付いてきました。
私の鼓動は高鳴りました。
しかしいきなり私の鼓動は鳴り止みました。
背中からナイフが刺さり私の心臓を貫いていました。
後ろを振り向くと彼が笑っていました。
彼が猟奇殺人者なのでした。
でも私はいいんです。
こうやってずっと彼のそばに居れるんだから。
――――――おわり
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