8月 和也と温子

4/4
前へ
/152ページ
次へ
俺は二階の窓から 怒って出て行く 温子に早く帰って来いよと 手を振りながら声をかけた。 『べっーバカちん!!!』 温子が一旦こっちを向き アカンベーをして スタスタ歩いて行った。 ヤレヤレ… 俺は腰を落とし 背中を壁にもたれ 部屋の端を 見つめていた… 見つめている先は 元々エアコンが あった場所 この部屋にも 当たり前の様に エアコンがあった 俺が自ら外したのだ 5年か… 夏が来るたび 俺は思い出してしまう 8月16日 加奈の誕生日を…                                    
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加