5年前の4月 和也と加奈子

2/5

97人が本棚に入れています
本棚に追加
/152ページ
『かず22才おめでとう 早くロウソク消しなよ! 早く早く』 『あはは もうちょっと ローソク眺めさせてよ 22本のローソクに 火が着いてるなんて 滅多に見れないじゃん』 『ばかね~ 来年は23本の ローソク見れるじゃない!! 早く早く』 加奈がせかす 『行くよ!!』 せ~の ふっー!! ケーキの上のローソクは 一気にまるで 魔法の杖を 振りかざしたかのようにして 全部綺麗に消えた。 『おめでとう かず 私よりまた二つ お兄さんになったね いや オジサンかな キャハ』 加奈が満面の笑みで 喜んでくれている 『加奈はまだ若くていいなぁ 歳は取りたくないよ』 『何言ってるの! かずは早く 大人にならなきゃ駄目でしょ』 『なんで…?』 『かずは まだまだ子供だからよ 早く大人になって 私をお嫁さんにしてね』 加奈が ホッペにキスしてそう言った。 ホッペにキスされると 俺がめちゃくちゃ 喜ぶのを知っているから 加奈は何かあるたび キスしてくれる。 そのキスは本当に 幸せな気持ちをくれる 魔法のキスのようだ 「さあ一緒に早く 食べようよ」  
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加