キリンを好きになってしまいました。

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  バスを待っていたのにキリンがやってきた。そんなこと、よくありますよね。   予定時刻になってもバスはこない、タクシーも皆無、今日は大切な会議、遅れるわけにはいかないのに……目の前にはキリンオンリー。   きっとあなたは悔やむに違いありません。   「ああ、キリンの乗り方さえ知っていれば……!」と。   A:キリンの乗り方を知らない場合。   あなたは会議に遅れます。キリンの乗り方を知らないのですから、当然です。   上司はカンカン、怒鳴り散らす表情は般若のそれ。   「これだからゆとりはクドクドクドクド」と工藤バーローも真っ青の説教をかまされ、同期にも陰口を叩かれます。窓際族→島流しのコンボもそう遠い未来の話ではないでしょう。   B:キリンの乗り方を知っていた場合。   キリンに乗るコツは、「はいやぁ!」の掛け声と共に、幼年期の母に背負られた温もりを思い出しつつ跳躍、右足をかかと落としのイメージで振り上げるとよいでしょう。これで8割方キリンに乗れます。   キリンに乗ったまま会議に出向くと社員の人がびっくりしてしまいます。キリンは会社に到着次第すみやかに乗り捨てましょう。   上司はご満悦。「ゆとりも捨てたもんじゃないな」とあなたに一目置く事でしょう。あとは年金生活を待つのみです、首を長くして。   キリンは温厚な性格をしているので、付き合い方を誤らなければまず別れる事はありません。   僕も先日電車でキリンと乗り合わせましたが、親切にも冷凍みかんを何個か分けてもらいました。そのキリンが雌だったなら、僕も今頃恋に落ちていたかもしれませんね。   大切なのはキリンの乗り方を知っているか否か、それだけです。 レッツビギン!
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