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「ムイムイ…ムイッ!!!」
オヤカタが、残っている兵士の一人に、頭突きを繰り出した。
兵士はそれを喰らい、怯む。
「今だ!!!」
フェアはその怯んでいる兵士に素早く接近し、短剣でとどめをさす。
「っと、いくよ?やぁ!!!」
ルシアンが、最後の兵士の攻撃を盾でブロックし、剣で反撃する。そこへ…
「いっちょいくわよ~?」
リシェルがすかさずドリトルを召喚し、召喚術を叩き込む。
「……ふぅ、ざっとこんなもんかしらね?」
リシェルが最後の兵士が倒れたことを確認し、そう言う。
「…よし、どうすんだ?オッサン」
ライがレンドラーを見て、余裕そうに言葉を発した。すると…
「面白い……どらぁぁぁ!!!」
レンドラーはライに近寄り、その手に持っている斧で強力な斬撃を繰り出した。
「なっ!?!?」
ライはギリギリでそれを剣でガード
したが、約3m吹っ飛び、おまけに剣は真っ二つに折れていた。
「覚悟しろよ?小僧…」
レンドラーはじりじりとライに近付いていく。
「くっ…やべぇ…殺られる…」
ライはそう呟いた。
「くっ…助けたいが、俺たちが動けば…あの斧で真っ二つ…かよ」
グラッドやその仲間たちは、なんとかライを助ける術を考えているが、どう考えても力量が違い過ぎ、それが不可能であることを悟っていた……。
「流石に……まずい、よな?」
レックスは宿から様子を伺っていたが、まずいと思い、宿を飛び出して、戦いの現場へと駆け出した。
「守ると決めたんだ…この魔剣を手にした時から……俺の目の前で、人を死なせやしない!!」
「死ねぇ!!小僧!!!」
レンドラーが叫び、ライに向かって斧を振り降ろす。
『畜生……』
ライは心の中でそう呟き、覚悟を決めたのか、目を瞑る。
「ライ!!!」
仲間たちが彼の名を叫んだ。その瞬間、金属と金属がぶつかり合った音が辺りに響いた。
「なにぃ!?」
レンドラーは自分の斧を止めた人物を見て驚いた。
「こんな子供相手に…何をやっているんだ!!!」
その斧を止めた人物はレックスであった。その斧を止めたレックスの手のは、光り輝く剣、魔剣であった。
「あ……れ?」
ライが目を開け、レックスを見る。
「早く逃げろ!!!」
レックスは魔剣に力を込め、レンドラーの斧を弾く。
「貴様…何者だ!!!あの滅茶苦茶な男では無いな!?」
レンドラーは斧を弾かれよろめくが、すぐに体制を立て直し、レックスに向かって叫ぶ。
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