88人が本棚に入れています
本棚に追加
「何のことかわからないが…これ以上やるなら…本気でいくぞ?」
レンドラーを睨みながら、レックスは静かに、しかし厳しい口調でそう言った。
「ぐむぅ…脅しでは無いな…剣の軍団!!!撤収するぞ!!」
「は…はっ!」
傷つき倒れていた剣の軍団の兵士は、フラフラと立ち上がりながら、レンドラーと共に去っていった。
「に、逃げたか…」
グラッドが安心したように呟く。
「なんで逃がしちゃうのよ!!!捕まえないとまた襲ってくるわよ!?きっと!!」
リシェルが不満いっぱいで、グラッドに向かって叫ぶ。
「しょ、しょうがないだろ?俺たちが手に負えるような相手じゃなかったろ?」
グラッドが困ったように答える。
「ライ君が無事なだけでもよかったでしょ?」
ミントがリシェルを慰めるように言う。
「むぅー…わかったわよ…もう」
不満がまだあるようだが、リシェルはそう答えた。
「……」
レックスは黙って魔剣を鞘に収め、泊まっていた宿に入っていった。
「と、とりあえず、さっきの人にお礼を…って、あれ?」
グラッドが辺りを見渡すが、彼の姿はもちろん無い。
「い、居ませんね…」
ミントもグラッドと同じように辺りを見渡すが、勿論、彼の姿を見つけることはできなかった……。
最初のコメントを投稿しよう!