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次の日、レックスは宿場町へ向けて旅を続けていた。
途中、はぐれ召喚獣や盗賊などに襲われるが、問題無く撃退し宿場町へと急いだ。
しかし、距離が大分あったため、町が見えるところに着いた頃には、辺りは真っ暗になっていた。
「よかった…また野宿になるかと思ったよ」
苦笑しながらそう呟き、町へと急いだ。すると、
「もう来るんじゃないわよ!!」
かなり遠くのほうで、活発な少女の叫びが響いた。
「…こんな時間に、女の子の声?」
少し不審に思いながらも、声がしたほうに目を向けると、数人の兵士が引き上げてくるところであった。
「…帝国軍の鎧じゃないな……何故こんなところに……ちょっと」
レックスはその兵士たちを呼び止める。
「ん?何だ貴様は?」
呼び止められた兵士は、レックスのほうを向く。
「いや…こんなところに兵が来るのは珍しいし…何用で来たんだ?」
レックスが尋ねると、兵士は、
「貴様には関係ないだろう?」
面倒くさそうに答えた。
「……兵士は国民に不満を与えないためにも、ここに何しに来た、とかは教えるべきではないのか?」
少し不満に思い、問い詰める。
「……貴様、野次馬根性もほどほどにしとけよ?」
すると、兵士が脅すような口調に変わった。
「……怪しいな……少し町に行って駐在軍人のところに行こうか?」
レックスの言葉を聞くと、兵士は痺れを切らしたように身構えた。
「面倒だ…こいつを処理しよう」
一人の兵士が、武器を構える。
「しかし、無駄な殺生は避けよと命令が」
その様子を見て、兵士が焦ったように言った。
「邪魔者は処理しろとも命令がきてるであろう?」
「た…確かにな……」
「丁度いいぜ…餓鬼共にやられてイライラしてたんだ…やっちまおうぜ!!!」
「「「おう!!!!」」」
と言うと、5人の兵士たちが、一斉に武器を構え、レックスを睨む。
「やはり…悪者か…俺はこういう戦いとは離れられない…という事か…」
苦笑しながらレックスは剣を構える。自分が厄介事に首を突っ込むのがいけないのだが、そこは気にしないでほしい。これは彼の性格だから仕方ない事なのである。
「はぁぁぁ!!!!」
力試しのつもりなのか、最初は二人襲いかかってきた。
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