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歌を聞いて,アリスはふと気付いた。
今,自分は,泣いている。
慌てて涙を拭う。
何故?
いつから?
どうして?
「アリス,大丈夫か?」
帽子屋が心配そうにアリスの背中をさすってきた。
「うん…大丈夫」
アリスはそれに応えて,もう一度チェシャ猫の方をちらりと見た。
しかし,もう紫の姿は無く,チェシャ猫が楽しそうに歌っていた変な歌も,聞こえなくなっていた。
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