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「なぁ、チカ。」
「ん。何?」
とある事件から、共に時を過ごすようになったチカと俺。
今では学校で知らぬものはいない、名コンビ(只のチカの世話役)になっていた。
そして今日もいつも通りチカと過ごしていると。
「―……それ、何よ?」
「スズメ。」
いやいやいや。
んなことは分かってんだよ。要するにそれをどうするかって聞いてんの。
「それ、どうするつもりだ?」
軽く見たところ、スズメは翼を怪我しているようだった。
多分、チカのいいたいことも想像出来てる。
「ねぇ、ケン。このスズメ食べ『駄目だぞ。』
ほら、やっぱり。スズメを飼う気だ…――
…………あれ。なんかおかしくね?
「やっぱり駄目かぁ。……スズメの丸焼きって美味しいらしいのに。」
「ちょっとぉ待てぇ!?」
仮にも健全な男子中学生が、怪我したスズメ見て『食べたい』って感想を持つのはおかしいだろ。
「チカさん、どおしてそんな考えに辿りついたんでしょう?」
「お腹すいたから。」
嗚呼、処置なしだな。コイツの思考回路には既に「スズメは食べるようなものではない」という概念は消え去ってる。
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