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「……ウルサイ」
確かにボソッと。
落ち着いた声で。
「え……っ??」
一瞬、只の聞き間違いかと思ったが、確かにヤツの口からはそう言葉が飛び出た。
だが、その台詞はクラスの奴らは誰一人として聞いちゃいない。自分が質問するので頭が一杯のようだ。
そしてしばらく経ち――…
質問責めを終えた「ヤツ」は俺の方へとやって来た。
「ねぇ。」
…おいおい、ちょっと不安だぞ。さっきのこともあるし。
「……んだよ。」
頬杖をつきながらギロリと睨んでやる。こうやることで、あくまで自然な不良を演じるのだ。うん、さすが俺。
だが返された返事は全く予想外な一言。
「――…あんた。俺とさ、つるまない?」
……つまり、あれだ。「お友達になりましょう宣言」ってやつか?これは。
ヤツは更に言葉を続ける。
「俺さぁ、見ての通りだからさ。舐められて、猿みたいに群がった低脳どもによく絡まれちゃうんだよね。だからあんた、猿避けになってくんね?」
…うん、「お友達になりましょう宣言」の後にこれはちときついな。
全く誠意が感じられねぇ。
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