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その声とともにレイとベルリアは剣を構えたまま弧を描きながら男のもとへ走ってゆく。
男は慣れた手つきで剣を抜き水平になぎ払った。
咄嗟に二人は剣でそれを受け止めた。だがその攻撃は強く、後ろに飛ばされた。
「ふん、この程度の攻撃で後ずさるとはな。お前等などこの私で十分だ。」
レイは見下されたと分かり、怒りが湧いてきたがベルリアは男の言葉に疑問を感じた。
今の言葉。どこかおかしい。ベルリアはもしやと思ったが、目の前の男を倒すことが先決だ。
「あなたの名前は何なの?それともっと強いやつらが近くにいるのかしら?」
レイはベルリアの言葉の意味がまったくわからなかった。何故強いやつらがいるってわかるんだろう。
「お前がなぜそれを知っているのは知らないが・・・まあいい。冥土のみやげに教えてやろう。私の名はファル。盗賊団幹部の一人。もうすぐでグリード様が任務を遂行するのだ。邪魔はさせん!」
その瞬間ファルが物凄い勢いでベルリアに斬りかかったが、ベルリアはなんとか持ちこたえた。
力は相手のほうが上。このままでは押し負ける。しかしこちらにはレイがいる!
自分の気持ちを察したかのようにレイは声をあげながらファルに斬りかかろうとした。だがレイは自分の目が空を向いていることに気がついた。
足払いをされたのだ。その視界の隅でベルリアがファルに斬りかかる。
しかしファルはベルリアの攻撃を避け、振り向きざまにベルリアの横腹を斬った。
振り向きざまの攻撃だったのと、ベルリアの反射神経が良かったので、傷は浅かったが、ベルリアは地面に倒れこんだ。
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