旅立ち

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 町に帰ってきてみると、その光景にレイ達は目を疑った。  町中の家屋が半壊状態になっているのだ。  ベルリアは突然城へと走りだした。  レイもそのあとを追う。  城が見えた瞬間、ベルリアはその場にくずれおちた。  城はほとんど崩壊しているのと同じ状態だった・・・・  「なんでこんなことになってるの?朝はなんともなかったのに。」  だが思い当たる出来事はいくつかあった。  朝、情報を確認するとき人が一人もいなかったこと、盗賊達が言っていたこと、ファルが言っていたこと全てはこのことだったのか。  すると王の側近がこちらへ寄ってきて  「お戻りになりましたかベルリア様。プリンシパリティは大盗賊グリードに襲われました。」  側近が震える声で言うと  「ウソでしょ!?大盗賊といえど、この町を制圧するなんて不可能だわ!王国騎士団は何をやっていたの?」  側近は言いづらそうに  「王国騎士団も壊滅状態です。五十万はいた団員も団長も含めてわずか数百人しか残っておりません。」  その言葉にベルリアはうつむく。だが追い打ちをかけるように側近は言葉を続ける。  「王様は難病にかかってしまいました。おそらくグリードのしわざだと思われます。しかしそれでもベルリア様の名前を呼び続けています。一刻も早く王様のもとへ行ってあげてください。」  ベルリアは直ぐ様立ち上がり、城の中へ入っていった。  王の部屋では幾人の大臣が見守るなか、王がベッドに横たわっている。  扉が勢い良く開かれ、ベルリアが父のもとへ駆け寄り話し掛ける。だが返事はない。  そしてレイも遅れてこの部屋へ入ってきた。  「王様の容体はどうなんだ?」  ベルリアは首を横に振る。  ダメだったのか?  ただ呆然としているレイを気にも止めずベルリアは話し掛ける。  「お父さん!大丈夫なの?目を開けて。お願い・・・・」  その思いが通じたのか、やがて王は目を開け言った。  「ベルリア。今から言うことをよく聞いてほしい。」
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