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「私たちは、便利屋です。いくつも場数を踏んで来ました。確かに頼りなく思えるでしょうが、ティルのためにも助けたいのです」
キリエは、今まで双子がどのような仕事をこなして来たかは、知るはずもない。しかし、幼い見た目から同じような問題を引き起こして来たのだろうということは、理解出来た。
「これは、私たちの問題です。巻き込むわけには、行きません」
「あーもう。めんどくせえなあ。俺たちは便利屋なんだよ。自分で解決出来ないから、便利屋に頼むんだ。それに、どうにか出来る自信がなかったら、俺がイリーナにこんな危険なことをさせるはずがないだろう!」
アノのぶっきらぼうな声が響く。どこか的外れな意見に、一行はきょとんとしてしまった。アノは僅かに照れている様子を見せる。
上品な笑い声を漏らしたのは、奥方だった。
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