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「ふふ、確かにそうですね。そうなのかもしれません」
イリーナは突然の事態にアノを叱ることすら忘れているようだった。
「私にはどうすることも出来ません。信じて待つことが、最良の道なのだと思っていました。でも、こちらから打って出ることが出来るのならば、それもまた一つの道なのですね」
表情はやがて微笑みから真剣なものへと変わる。
「私はエリナと申します。あなたたちを、信じます。主人を、助けて下さい」
エリナは静かに頭を下げる。エリナの後ろに立つリアンもまた、頭を下げていた。
「あ、こっちがアノで、キリエと、私はイリーナです。依頼をお受けしました!」
イリーナは慌てて、そう口に告げる。契約は成立したのだった。
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