27人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――――――――
「まぁ…こうなることは予想していたが…」
ここは晴族の中心に建つ大きな城、『満城』の中の王室。
何もない広い部屋にドンと置かれた赤い大きな椅子には王。
その前に姫、鈴華が、今日の噂の話をしていた。
「それだけではすまなそうだなんだ…
鈴華は7つの族以外にもう一つ族があるという話を知っているか??」
もう一つの族…。
「はい…噂くらいなら…」
「実はその闇の族を夜族という…別名闇族と言われているんだが…」
「や…ぞく…
やみ…ぞく…??闇、ですか…」
王は小さく頷く。
「その夜族が…動き出したんだ…」
「……え??」
「夜族の正確な目的はわからないが…多分晴族カラこの国を奪うつもりだろう…」
「そんな…」
「夜族がどんな計画を立てているかはわからないが、いま夜族の下部や力の弱い夜族達が集団でうろついてるらしい…」
「!?」
「私はこの城を離れる訳にはいかない…
鈴華、お前に頼みたいんだが…」
「……はい…」
「言いにくいが……簡単なことじゃない。学校なんかに時間を費やせん…。
それに隠しながら仕事をすると言うのは…「わかってます。…そういう事なら…学校は辞めます」
今まで絶対に辞めたくなくて、必死に嘘ついて、隠して…でも……やっぱり姫だから。
あたしは学校を辞めても構わない。
今まで散々我が儘きいてもらってたんだもの。
もう…十分…。
「すまないな……。
来週の式典までは今まで通り過ごしてくれ。式典が終わったら、その時に詳しく話そう…」
不安だけど私は姫だ。
2人のボディーガードがついててくれるし…きっと大丈夫…。
鈴華は凛とした目ではっきりと返事をした。
「はい。」
最初のコメントを投稿しよう!