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「そういや、そうだな」
「……………」
一瞬、クラッときた。
なんだか脱力してしまった涼都は、ため息をつく。
「急にどうしたの? お前」
「疲れた」
ため息まじりに涼都が言うと、宇崎は上機嫌で脱いだズボンをたたんだ……ってあれ?
ちょっと待て!
「お前何してんの?! もうパンツしかはいてねえじゃねぇか!」
「だから言ったろ? これが俺の自然体だって」
「アホか! そんな格好で歩いたら、100%警察まで連れて行かれるわ! っていうか、その前に俺がお前を始末してやるよ」
言いながら、拳を静かに握った涼都に、ただならない気配を感じたのだろう。
宇崎は『待て』と切羽詰まった声を出した。
「お前、本気で言ってるだろ?!」
「当たり前だろ! てめぇのせいで4階からダイブするわ、灰になりかけるわ、学園長室にはたどり着かねぇわでこっちは大迷惑なんだよ!」
灰になりかけた以外は、宇崎のせいではないのだが。
しかし宇崎はそこを突っ込まずに、キョトンとする。
「お前、学園長室行きたいの?」
「そうだけど」
宇崎はニッと笑った。
「俺が、学園長室まで連れてってやろうか」
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