*1.兎?いえ、宇崎です

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*─────────────────* 荻村は驚きのあまり、言葉が出なかった。 それは荻村だけじゃなく、他の儀式担当の教師陣も一様に唖然としている。 前から聞かされていた荻村でさえ驚いたのだから、話も聞いていない他の教師がこうなるのは当然だろう。 担任の荻村には資料が送られていたが、これは (予想外、なんてもんじゃねぇぞ) 荻村はピンッと指で資料を弾いた。 目の前には、その紙に貼り付けられた写真と同じ人物が同じように笑っている。 「儀式はもう終わりましたよね? もう俺、帰ってもいいですか?」 設楽東。 設楽家といえば四大一門、その上『設楽』を名乗ることを許された本家の人間。 優秀だと、聞いていた。 本当は学校など通わなくともよくて、そこらへんの魔術師なんぞは目じゃない腕前だと。 本人たっての希望で、行く必要もない桜華に来ることになったらしく、魔術師見習いではなく魔術師の色にカードは変わるだろう、と散々言われてきた。 だからある程度は想定していた、それなのに。 (嘘だろ) 荻村はまだ信じられない気持ちで、カードを凝視する。 それは、太陽の光を受けて黄金に輝いていた。
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