*1.兎?いえ、宇崎です

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学園長室は、そこまで広いというわけではなかったけれど、やはり豪華だった。 入って手前には机が縦に置いてあり、両側にソファがある。 奥の方の重厚な机に、学園長は座っていた。 その容貌は美しく、入学式挨拶で男子がざわついたのも頷ける。 しかしその顔は今、もの凄く険しいものになっていた。 (うわ、不機嫌だよ) やはり、宇崎の言葉が聞こえていたらしい。 学園長の傍らでは、水木がヤッホーと言わんばかりに手を振っているが、とりあえずスルーしておく。 理事長である彼は、さも可笑しそうに言った。 「あはは。おっかないオバさんだって。言うよね、彼も」 ちょっとはフォローしようとか思わないのか、コイツ。 更に眉間のしわが増えた学園長に、水木は全く気にした様子はない。 学園長はため息をつくと、苦々しい様子で言った。 「まぁ、別に間違ってないですから。お姉さんと呼んで欲しいなんて思ってません」 開き直っちゃったよ。 (まだお姉さんで通じると思うけど) 何となく哀れんだ目を向けてしまったらしい。 鋭い目で睨まれてしまった。
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