*1.兎?いえ、宇崎です

28/60
32826人が本棚に入れています
本棚に追加
/682ページ
『おっかねぇオバさんには気をつけな』 確かに、『おっかねぇ』の部分は否定しない。 「まぁ、とりあえず座って座って」 言いながら、水木は長机の両側にあるソファーの右側に座る。 学園長も席を立って、わざわざ水木の隣に座ったところを見るに、涼都は向かいのソファーに座らないといけないらしい。 (向かいあって話すのかよ。嫌だな) 水木の顔を見なきゃいけないのが。 それでも渋々座った涼都に、学園長は軽く咳払いすると重々しく口を開いた。 「今日、あなたを呼んだのは他でもない、昨日の一件のことです」 まぁそうだろうな。 涼都は無言で頷いた。 「だいたいの話は、担任の荻村先生から聞きました……けれど、詳しくはまだ把握していません。まずは、詳細を聞かせてもらえますか?」 (めんどくさ) 思わず口に出しかけて、何とか涼都は踏み留まった。 さすがに、水木にするように気安い態度では、今後の学園生活に支障が出かねない。 涼都は(一応)真面目に、詳細を話すことにした。
/682ページ

最初のコメントを投稿しよう!