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『おっかねぇオバさんには気をつけな』
確かに、『おっかねぇ』の部分は否定しない。
「まぁ、とりあえず座って座って」
言いながら、水木は長机の両側にあるソファーの右側に座る。
学園長も席を立って、わざわざ水木の隣に座ったところを見るに、涼都は向かいのソファーに座らないといけないらしい。
(向かいあって話すのかよ。嫌だな)
水木の顔を見なきゃいけないのが。
それでも渋々座った涼都に、学園長は軽く咳払いすると重々しく口を開いた。
「今日、あなたを呼んだのは他でもない、昨日の一件のことです」
まぁそうだろうな。
涼都は無言で頷いた。
「だいたいの話は、担任の荻村先生から聞きました……けれど、詳しくはまだ把握していません。まずは、詳細を聞かせてもらえますか?」
(めんどくさ)
思わず口に出しかけて、何とか涼都は踏み留まった。
さすがに、水木にするように気安い態度では、今後の学園生活に支障が出かねない。
涼都は(一応)真面目に、詳細を話すことにした。
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