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「俺は、シロだ」
最後に言い切った涼都に、理事長も学園長もどう対応していいのかわからない表情を浮かべた。
一瞬、間が空いた後に水木が慌てて言う。
「いや、別に心配しなくても君が犯人だなんて思ってないし……ただ事情をね」
「俺もそんな心配はしてねぇよ。だから、話した通りの内容だ」
「は?」
全く意味が分からない様子の水木に、涼都はフンと鼻を鳴らした。
「言われた通り、事情は話した。これで俺がまっっったく昨日の事件とは関係ない、むしろ被害者だってことがわかったろ?」
だからサッサと解放してくれ、と言わんばかりの涼都に思わずか、学園長がつぶやく。
「いや、被害者の態度に見えないんだけど」
聞かなかったことにする。
話の流れが早すぎてついていけない水木は、涼都に待ったをかけた。
「いや、だいたいの事情はわかったよ。でもね、君の説明はあまりにもざっくばらんというか、要点だけっていうか──細かいこと、きいてもいい?」
どうも客観的すぎたらしい。
まぁ、わざとだけど。
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