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少女がどんなに泣き叫んでも、女が再び目を開けることはなかった。
「ガキ~……次はお前だぁぁ!!」
「アヒャヒャ……すぐにパパとママのとこへ行かせてやるからなぁ~」
女に抱き着き泣いていた少女が、ゆっくりと立ち上がった。
少女はもう泣いてはいなかった。
血で染まった部屋を目だけで見渡すと、血まみれのテディベアと目が合った。
「殺っちゃえぇぇ~!!」
男達が一斉に少女へ向かう。
途端、瑠璃色だった少女の瞳が金色に変わった。
男達はその異様さに戸惑い、一瞬の隙ができてしまった。それを見逃さずに、少女は天井すれすれまで跳び上がった。
そして、自分を囲んでいた男達の背中に足を乗せ、次々と素手で首の骨を……首ごと折っていく。時折血が飛んでくる。
少女は、その作業を無表情で、また、無言で行っていた。
「あガっ!?」
男達は短い悲鳴を残しながら倒れていく。
少女は、そこにいた全ての人間が死んだことを確認すると、母親と父親の死体を家の前に埋めた。
その後、外の物置にあった灯油を出して家中にまき、ライターで火をつけた。
少女はもう涙を見せない。
燃え盛る炎に背を向け、行く宛もなく走り出した――
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