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「やったぁぁぁッ!!」
すごいっ! もう依頼が来てるっ!! さすが私だねっ!!!
嬉しすぎる気持ちを抑え、パソコンのカーソルを動かし、赤く点滅している“依頼”をクリックする。
そこには詳細が書かれていた。
《依頼内容は警護。
私は暗殺者に狙われている。近日中に殺されるだろう。それを護って頂きたい。返事は今日中に願いたい。報酬はいくらでも構わない。》
……なんだか、随分と簡単って言うか適当っていうか……そんな文だな。
ま、最初から客選びなんてできないしね。
返信……っと。
《依頼、承ります》
早速支度をしないと、か。
私の初仕事。ワクワクする。
肩まである髪を一つに結び、前々から買っておいた服を出す。
黒いストレートのパンツにワイシャツ。それと、黒いフード付きのマント。
声は元々そんなに高くないので、少し意識するだけで低くすることができる。
全身着替えて鏡の前でチェック。
正体不明って感じするよね? 性別は、どちらかと言えば男……これなら大丈夫だ。
もう一度パソコンの画面を見ると、依頼主の自宅の住所が届いていた。それを携帯のメモ帳に写し、準備はできた。
よしっ!
「行ってきますっ」
誰もいなくなった部屋に、その声だけが響いた。
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