空蝉

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「・・・蝉、ってさ、儚くない?」 『・・・は?』 「こうやってさ、ちゃんと脱皮してさ、頑張って土から出てきたのにさ、1週間しか生きてられへんやん。現に、もう蝉おらんし。」 『そんなん、しゃあないやん』 「そうかなあ・・・」 『ってか、蝉のどこが儚いねん。あんなもん五月蝿いだけやろ?』 「五月蝿いのやって、ほんの少ししかない人生を楽しむためやろ?なんか、儚いやん・・。」 『お前頭沸いてるんとちゃう?』 いくらなんでも、 沸いてるは酷い。 本当に思ってること、 馬鹿にされるの覚悟で 言ったのに。 ここまで馬鹿にされるなんて 思わなかった。
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