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前田慶次郎利益を語るに当たってまず忘れてはいけないのが漆黒の巨馬『松風』だ。
…松風と慶次の出会いはとある山だった。
…百姓が馬を捕まえるために捕獲にかかったところ、いくら探しても馬の群れは見つける事すら出来ずにいた。
それは巨馬がどの馬よりも頭が切れ、人間を見つけるとすぐに群れから群へと伝えて行くからだった。
また見つけて取り囲む事が出来ても後一歩の所で、一頭の巨馬が暴れ出し、それにつられて他の馬達もその巨馬が暴れて出来たスキの一角を狙ってもう突進を始めたのだ。それをまともに喰らっては村人はひとたまりもない。
とうとう死人がでる始末だ。
それを町奉行に言った所捕獲してくれるとの事だった。
結果は同じ事だった。
その旨を上へ言うと鉄砲や槍で殺してしまえとの事だった。
村人はその巨馬を悪魔の馬と呼び、祟りがあるといい殺したがらなかった。
だからこそ奉行所のものに頼んだのだった。
ところが武士は誰よりも縁を担ぐものだ。
奉行所では誰もが嫌がる仕事だった。それは利家に流れ、利久へ流れ、最後は慶次のもとに来た。
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