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苦しさから解き放たれて、さえずる小鳥の鳴き声とポカポカとした暖かさ。
それを感じて僕が目を開けばそこに広がるのは青々とした美しい空と、広がる花畑。
立ち上がってこの温もり全身で感じた。心地の良い、闇など一欠けらも感じない太陽のぬくもりを。
「やっと会えたねエディ」
その声は確かに背中から聞こえた。ゆっくり振り返るとそこには真っ白のワンピースに美しいさらさらのブロンドが太陽の光でいっそう輝き神々しささえ感じてしまうほど。
「君が僕を救ってくれたのか?」
「いいえ違うわ。あなたを信じて私は手助けをしただけよ。救われたんじゃなくてあなたがそう願ったの。決してそれを忘れないで」
彼女はそう言って振り返り歩き出した。
「待ってくれ」
僕がそう言うと彼女はまた僕のほうを見て微かな笑みを浮かべ、声には出してないが確かについてきてと言った。いや、そう感じた。
どのくらい歩いたのか、景色の変わらないこの世界はそれでも確かに希望に満ち溢れている。
そして彼女は突然足を止めた。いや、止めざる得なかった。
目の前にあるそこは景色が途切れ、真っ白い光だけが全てを支配していた。
「この先にあなたの本当の世界がある」
僕は考えることなく、その世界へと一歩一歩足を進めた。どこに繋がっているか分からない。だが、この先に行かなければならないというのはなぜだろうすぐに感じた。
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