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そうして一人、残った昼子。
途端に、スッと笑みが消える。
『……そう。鬼にはならない。…あの屋敷に張り巡らされている結界が、破られない限りはね』
目を細め、地上で天を睨んでいるであろう弟の、憎しみに満ちた金色の双眸を思い浮かべる。
『封印から解き放たれた時、あの子が一体どれだけの力を蓄えているのか…。その力次第では、私の張った結界など容易く破られてしまうかも知れない。けれど…』
生命の環の流れの上に、昼子は水鏡を作ると、其処へ地上に止まる斎蔵の姿を映し出した。
『人間と言えど、彼も半神。肉体から解き放たれた状態で存在し続ければ、自覚は無くても何かしらの力を得ていく筈。それがきっと、最後の戦いで大きな助けになる』
昼子が水鏡の水面の上をサッと払うと、其処は元の流れに戻った。
孤独な女神の思惑。
その思惑は、誰が為に?
人の為?神の為?
母の為?弟の為?
それとも
他でもない、己の為…?
【完】
***********
【後記】
初の神様中心小説です❗(>_<)
なんか意味不明な上に短くて済みません…(滝汗)💦
昼子の腹の底が見えない部分、個人的には好きです(笑)でもきっと、ホントは優しい方なんだと信じてます😌✨
ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました😣
…もしも感想など頂けたら、携帯の向こう側で小躍りします(何)〓💡
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