入試奮闘編2 剣士の機転

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数秒でネモを倒したリッチを「一番弱い」と思えない。デューク以外の二人、パークとピッチはリッチを「自分より格上」と認識した   バトルロイヤルは難しい。もしテストでなければ、リッチ程の実力があれば、一発くらう覚悟で一人ずつ倒すという作戦もとれる。しかし一撃が即失格につながるならこの試験にバトルロイヤルのシステムが導入すれば、実力で劣るパークやピッチにも勝機はある!   ピッチ「おい、パークとデューク。手を組まないか?まずあのリッチって野郎を倒して、それからにしないか?」 パーク「……よかろう。」   ピッチはずるがしこい、いや、狡猾と言うべき判断を下した。リッチには絶対に勝てないことは一瞬でわかったから、手を組み、リッチを倒すように、他の誰かに声をかけてみる。 その申し出に一瞬でパークは了承した。   パークは過去、二回このシェンザ高校の受験に落ちている。これが三年目。 パークの父は刑事だった。しかしパークが幼い時に大掛りな盗賊団と戦い、殉職してしまった。 母は元々体が弱く、重い病にかかっており、そう長くもたないと言われている。つれあいをなくした母の唯一の夢は、父のような立派な刑事にパークがなっている姿を見ること。 シェンザ高校は刑事になる最高の早道。卒業できれば、ほぼ間違いなく刑事になれる。 母の病気が悪化し、もう一年持たないと言われている。刑事になった姿を見せれるのが一番だったが、せめて、ほぼ間違いなく刑事になれるシェンザ高校の制服をきた自分の姿を、一目でいいから見せてやりたい。   パークにとって、今年は恐らくラストチャンス。このピッチという男、確かに気に食わない、バトルロイヤルシステムで手を組むのも卑怯で気に入らない。 とはいえ、このラストチャンス、もはやなりふりかまってられない!   デューク「僕はごめんだな。こんな雑魚相手に手を組むことはしたくない。」 ピッチ「何!」   ピッチの申し出を、デュークは、馬鹿にしたように断る。ピッチはムッとしてデュークに向かって行こうとしたが、それをパークが制止する。   パーク「よせ。無理強いはよくない。まずは当初の予定通り、リッチを倒すことからにしよう」     スタートダッシュでリッチが強いことを証明したら、敵は手を組む。これもまたマリアンヌの教習で習ったケースにあった。 デュークが断り、相手が二人組。マリアンヌ曰く、最高に理想的な展開だった
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