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木刀を構える姿を見ただけでわかる。隙のない構え、自信あふれる態度、デュークの強さはある程度予想していたが、それ以上であることを……
デューク「母のために、と言うが、確かに戦う信念は立派だ。だが、考えてみろ。どんな弱者も、それなりの信念は持っている。その信念を守り抜けるかどうか、それが強さだ。信念がある方が強いなんてことはない。強い方が強いんだ。強さは強さであり、信念は強さではない。」
デュークの言い放つ言葉に、リッチは何か言おうとしたが、パークが先に話し出した。
パーク「しってるよ。病気の母に一目でいいから立派な姿を見せたい。その信念がどんなに立派でも、俺は力が不足していた……俺だって三年も試験に落ちてるんだ、理解はしている」
デューク「そうだ。そしてここはシェンザ高校の試験会場。弱者に用はない。ここで消えろ」
デュークがパークに近付いてくる。
パークは諦めはしていない。だが、目の前には自分より遥かに強いデューク、それにリッチも控えている。自分に何ができるのだろうか?
パークはこの場を切り抜ける様々な策を考えるが、どうしても思い付かない!
リッチ「こらデューク!待てや!」
パークの目の前に、突然リッチの背中が現れた!
信じられない光景だ。敵のはずのリッチが、パークとデュークの間に割って入り、守るように、デュークに向かって剣を構えたのだ!
リッチ「お前、こんな話聞いたあとにパークさんを倒せるのかよ?」
構えながら、リッチはデュークに抗議を始める!
デューク「甘いなリッチ・カルダス。では聞こう。君はどうしたいんだい?」
リッチ「パークさんを合格させてやりたい!パークさんを守るために、お前をやっつける!」
デューク「く、くっくっくっくっく。本気なのか。愚かな……」
リッチの一言に、デュークは少し笑う。笑いながら問掛ける。
デューク「君が僕に勝てるはずがないが、仮に勝てたとしよう。ではその後はどうする?パークにわざと負けるか?」
リッチ「それは……」
そうだ。パークに勝たせたいということは、自分は負けたいということになる。
リッチ「確かに、おいらは不合格かもしんない……それでも……おいらは……」
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