入試奮闘編2 剣士の機転

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一次試験、剣術科の受験生の中でも一番最初に受けたリッチは、時間が余りまくっていた。昼休みも含めて、三時間近くは待たねばならない その間に考えていた。パークのこと。デュークのこと……   恐らくリッチは、パークをかばった時に、デュークに勝っていた場合、パークにはわざと負けていたかもしれない。病の母のために戦うパークに、剣をつきつけるなんて、リッチにはできない……   デュークにも力不足で勝てなかった。   自分にはこの道が向いてないんじゃないか?パークを倒すことも、デュークに勝つことも出来ない自分に、受験資格はないんじゃないか? そんなことを考えていた   ジニー「あ、リッチ」 リッチ「お、ジニー」   たそがれるリッチに、ジニーが近寄る   ジニー「一次試験はどうだった?」 リッチ「落ちた」 ジニー「あらま」 リッチ「嘘。受かったよ」 ジニー「あらま」 リッチ「リアクション同じかよ!どっちでもいいのか?」 ジニー「受かるって信じてたもん」 リッチ「ジニーは?」 ジニー「落ちた」 リッチ「ぬぁにぃぃぃぃぃーーー!」 ジニー「嘘。受かったよ」 リッチ「ハァハァ。び、びっくりしたよ!」 ジニー「あわてんぼうさん」   ジニーはまた笑う。まるで感情を表に出さないジニーが、唯一笑える場所がリッチの隣   ジニー「誰に負けたの?」 リッチ「な、なんでおいらが負けたってわかるんだよ?」 ジニー「長い付き合いだから」 リッチ「俺はジニーのことわかんないぞ?」 ジニー「それはリッチが馬鹿だから」 リッチ「ちがわい!ジニーがポーカーフェイスすぎるんだぃ!」   いつもそうだが、リッチじゃジニーに勝てない。ジニーはリッチにとって絶対的存在……   リッチ「……そっか。おいら、わかっちゃったかも」   リッチは、自分が冒険家になり、ソウル・ジュエルをさがしだしたい理由を思い出した。 それは、ジニーにソウル・ジュエルをプレゼントするため   魂を呼ぶ戻すという伝説の宝石ソウル・ジュエルを、ジニーに渡す。過去に、ジニーにしてしまったひどいことの償いのためにも、ジニーに渡さねばならない   自分にも、パークに負けない理由があるし、いつか強くなる   リッチ「ジニー。二次試験頑張るよ。」 ジニー「ふっきれたみたいだね。でも二次試験って剣術科と魔法科のペア戦闘だよね?リッチと敵になったら面白そうね」 リッチ「なりたくねぇって」
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