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教官「……信じられん……あの身のこなし、あれが、ジニー・アーキスか……」
リッチがジニーに対して木刀を振る!振る!振る!
だが、その木刀を、ジニーは必要最低限の動きで避ける!避ける!避ける!
当たらない!リッチの攻撃が、ジニーに当たらない!
確かにジニーは昔から、何をやらせてもなんでも出来た。
一年前、ちょっとだけリッチの剣の稽古に付き合った時も、初めて木刀を持ったにも関わらず、リッチの攻撃を、紙一重ながら確実にかわし、たった一撃でリッチを倒した。
何をやらせても超天才なジニーだが、リッチは一年間、マリアンヌとの特訓で、剣術もかなりのびた!
あのときのジニーはリッチの攻撃を紙一重でかわした。ならば、今のリッチの攻撃なら、ジニーでもかわせないと思っていた……
だが……
リッチ「な、なんで当たらないんだよ!」
ジニー「リッチの攻撃する場所、わかるもん」
リッチ「おいら、ジニーの動き、わかんないぜ?」
ジニー「それはリッチがバカだから」
リッチ「くっ、またバカにされたぁぁ!」
ミア「リッチはん!ちょ、シャレになっとらんって!」
ミアが時間を稼ぎ、リッチがきめる。それがリッチとミアの作戦
だが、そのリッチが決めることができない。当然ミアがデュークをいつまでも押さえていることも出来ない!
デューク「ふん!」
パァーン!
リッチが勝負を決めることが出来ていないまま、デュークがミアをふりほどき、逃げさせる隙すら与えずにミアの風船を割った!
教官「これが、ジニー・アーキス……あ、し、試合終了!勝者はデューク&ジニー組!」
デュークがミアの風船を割ったこと以上に、ジニーの動きに驚き、教官の言葉が一瞬出遅れた。
リッチ「ハァ、ハァ……最後まで、全く当たらなかったか……」
ジニー「リッチ、楽しかったよ」
ジニーの笑顔がリッチに向けられる。リッチも笑顔で返した。
別にリッチは悔しくない。この世で一番強いと思っているジニーになら、どんなに大敗しても悔しくない。
こうして、リッチ、ジニー、ミア、デュークの二次試験は終わった…………
と、誰もが思っていた
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