713人が本棚に入れています
本棚に追加
「よお。」
ハスキーな音に太地は反応した。
「相変らずか?」
「嫌、もう吹っ切れた。」
「なら、どうしたんだ。未だ此所にいる。」
太地は答えたく無かった。
「未だ吹っ切れて無いか。」
「あんたに何が判る。」
太地の苛立ち等分かる筈も無い。
「別に、知りたくも無い。」
男は太地の横に座ると煙草を取り出す。
「もう、終わったんだ。」
「終わった顔じゃねぇな。」
太地の苛立ちを刺激する。
「あんたに…」
「宇藤だ。」
「うどう?」
「そうだ、年下にあんた呼ばわりはされたくない。」
「関係無い。俺の事は、干っといてくれ。」
「ああ、太地に興味は無いが、身体は気に入ってるからな、干っといてやりたいが、身体が利かなくてな。」
宇藤の言葉に愕然としながらも、太地は応えられない。
最初のコメントを投稿しよう!