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また寒い夜だな。
真壁 英司(まかべ えいじ21歳)はヘリから下を見ながら思った。
空から見る町はまた別の美しさを魅せた。
周りには彼を含めた6人がヘリの中に居た。
全員漆黒のアーマーに身を包んでいる。
そしてアーマーの肩には
「WJ」の2文字をペイントしてある。
Wild・Japan、略称WJの私兵特殊武装部隊第44特殊歩兵科第一分隊に所属している英司はぼんやりとまた兵士輸送用ヘリ、通称ブラックホークの中から下を覗いた。
「え、英司君、そんなに出るとあ、危ないよ」
後ろを見るとおろおろとした女の子が此方を見ている。
彼は後ろの女の子、安里 恵利加(あんざと えりか19歳)へと振り返る。
「大丈夫だって、落ちゃしねぇって」
「で、でも………!!」
「?………ウワァ!!」
突然首襟を捕まれて落とされそうになり英司は思わず叫んだ。
「アハハ、やっぱ英司って面白いねぇ」
そう言って腹を抱えて笑っているのは、先輩の橋本 夏美(はしもと なつみ27歳)だ、英司は夏美に怒鳴り返す。
「あ!危ねぇだろ!!」
「だって落ちないって言うから」
「んな事すりゃ落ちるに決まってんだろ!!」
「作戦前だぞ、もう少し黙れ」
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