青春の始まり。

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海苔雄が指差す先には、一個の砂時計があった。 『………?』 僕には海苔雄が何を言いたいのか分からなかった。 『ん?あぁ、間違った。』 海苔雄は指差す方向を変えて、掛け時計を指差した。 『まだ入学式は始まってねぇよ。』 僕はやっと状況を理解した。『何を慌てていたんだ?俺達が家を出てから、学校までかかる時間は15分弱だ。そして、俺がお前をボコってしまったのが、家を出てから10分後の事だった。それから俺はかれこれ2時間程お前を殴っていた。そして通りすがりの先生が俺達を見つけ、ここまで連れてきてくれた。お前が寝ていたのは6時間。』 海苔雄は長ったらしい問題文みたいな話をし始めた。 『家を出てから合計で8時間強しか経っていない。入学式が始まるのは1時からだ。そして、今は12時30分。それを考えれば、あんなに慌てなくて済んだのにな。ハハッ。』 寝ていた時間とか、殴られてた時間とかが分かるわけがないとかそういう事は置いといて、僕は自分が午前5時に家を出発していた事に驚いた。 『そうだったな。』 僕は床に敷かれた布団からムクッと起き上がると、 『じゃあ、教室にいくか。』と言い、海苔雄をすれ違い際にビンタした。 『むきゅ~。』 海苔雄は、ドサッという音をたてて床に倒れた。オバちゃんはより一層大笑いし始めた。 『先生、助けて下さってありがとうございました。』 礼を言って、保健室を出た。すれ違い際にオバちゃんもビンタした。 『免許皆伝じゃ‼』 そう言ってオバちゃんは床に倒れた。 『うぅっ…、ありがとう…。』 僕はこぼれる涙を袖でふきながら保健室を出た。   撃破武将     2人 総撃破数     2人 クリアタイム   10:25       獲得武勲     3072pt   3072ptだった。僕はこれで卒伯になった。
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