2人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
僕は卒伯になった。これからは王国の外に出れるようになったぞ。これから冒険が始まるかもしれない。
『勇者殿!勇者殿!』
誰かが叫んでいる。僕はこの街を散策しようと思った。
『勇者殿!勇者殿!』
黙れ、僕は卒伯だ。
『ゆうしゃどのぉ~。』
オッさんが僕の顔を覗き込んでいた。
『なんで返事してくんないんッスか?私は必死で叫んでいたのに…。』
オッさんは僕にひっつきながら言った。
『すまない。まさか僕に言ってるのだとは思わなかった。』
僕はとりあえず答えた。
『総合格闘技って結構醜いッスよねぇ。』
なぜかオッさんは世間話から入った。
『あぁ、そうだな。』
僕も共感した。
『私の王国の姫が何者かによって超美人にされたのです。一緒にビリーズブートキャンプしませんか?』
もう何を言っているかよくわからなかった。
『……?』
とりあえずラリった顔をした。
『勇者殿、我が王国をお助け下され!』
オッさんは泣きそうな顔で僕にすがりついた。
その時、なんかいかにも戦士ってカンジのマッチョが通りすがり、
『おぉ、同性愛者は初めて見た!キショい~。』
とかぬかして帰っていった。
最初のコメントを投稿しよう!