‐第1章‐ 出会い

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──その後 マキは雪春になぜ旅をしているのか、どこから来たのか、目的はあるのか、と散々質問していたが、いつもごまかされていた。ただ旅がしたかったのだと、雪春はいつもそう答えていた。 あれからまたいくつかの町や村を回って、今にいたる。 「マキさん、行きましょうか」 まだ起き上がっていない雪春はそう告げる。マキは一度大きく背伸びをしてから答えた。 「…そうね」 お互いのことは詮索しない。いつの間にかそれが二人の間で暗黙の了解となっていた。 時は戦国末期。 偶然出会った二人はすでに逃れられない鎖に捕らえられていた。 そう、お互いの背負う宿命という名の鎖に…。
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