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「もう終わろう」
…それが最後の言葉だった。
プツリとそこで途切れる記憶。
それ以降は何を話したのか、どうやって家に帰ったのかさえ思い出せない。
ただ車の中に空しくラジオの軽快な音楽だけが流れていた。
(どうして?何がこうしたの?)
(私が悪かったの?)
(わがままだった?どこが悪かった?)
初めて結婚したいと思える人だった。
私のすべてを受け入れてくれた。
求婚もしてくれた。
それなのになぜ…
もうそれから2年はたつというのに、私は他の誰かを愛せずにいた。
彼と別れたあとの1年はずっと泣いていたような気がする…。
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