『蜂起』

34/68
前へ
/765ページ
次へ
    しかし、気を逸らしてる間に《グラビテーション》の玉が随分減った。 全力発動はやはり、辛い。 けどまだ持つ…か。 《グラビテーション》を追加発動。 そして。 「《キャンサー》」 等分裂。 全力発動で作り出した重力空間を100として… 10個の重力玉に分割。 空中に散開。 よし、これで…… 「美南… お前さぁ…」 いい……? 「弱ェよな」 何だとこの野郎弓槻…! 「ぼそぼそ《キャンサー》って呟いてるってことは、それ人工宝珠で得た星能力だな? オリジナルの能力より能力そのもののレベルが格段に低い」 …それは確かに思った。 けど。 「だから何だ? おれの能力でさっきからお前の《魔弾》は形無しじゃないか。 ダメ出しする前に自分の状況を把握しなよ」 鼻で笑ってやる。 だが弓槻は顔を歪めず、目を閉じてただゆっくりと溜め息をついた。 「わかってねェな……」 《降雷撃》によって止めていた足を再び進めだす弓槻。 重力玉に触れるギリギリまで近づいたとしても、素手や簡単な武器じゃ重力玉に阻まれておれたちには届かないぞ。 どうするつもりだ…?  
/765ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18210人が本棚に入れています
本棚に追加