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しかし、気を逸らしてる間に《グラビテーション》の玉が随分減った。
全力発動はやはり、辛い。
けどまだ持つ…か。
《グラビテーション》を追加発動。
そして。
「《キャンサー》」
等分裂。
全力発動で作り出した重力空間を100として…
10個の重力玉に分割。
空中に散開。
よし、これで……
「美南…
お前さぁ…」
いい……?
「弱ェよな」
何だとこの野郎弓槻…!
「ぼそぼそ《キャンサー》って呟いてるってことは、それ人工宝珠で得た星能力だな?
オリジナルの能力より能力そのもののレベルが格段に低い」
…それは確かに思った。
けど。
「だから何だ?
おれの能力でさっきからお前の《魔弾》は形無しじゃないか。
ダメ出しする前に自分の状況を把握しなよ」
鼻で笑ってやる。
だが弓槻は顔を歪めず、目を閉じてただゆっくりと溜め息をついた。
「わかってねェな……」
《降雷撃》によって止めていた足を再び進めだす弓槻。
重力玉に触れるギリギリまで近づいたとしても、素手や簡単な武器じゃ重力玉に阻まれておれたちには届かないぞ。
どうするつもりだ…?
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