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既定のルートで最も近道なのは、ビルとビルを繋ぐ渡り廊下だ。
一旦下まで降りてから空中通路を渡って、再度登る。
ビル間の距離は目測で二十メートル程あり、《レオ》で氷の道を造れなくもない距離。
だが、あそこに成瀬千早がいることや先程の爆発などを鑑みるに、得策とは言えない……てか馬鹿だ。
「今の懸案事項は?」
階段を降りる最中、後ろから声。
「優先順位、上から。
一つ、敵の残存戦力。
二つ、向こうチームの安否。
三つ、成瀬千早の能力の限界。
四つ、俺のコンディションが持つかどうか。
五つ、罠の有無」
「アンサー。
一つ、残るは成瀬千早のみ。
但し《パイシーズ》による蘇生、秘匿になっている場合を除く。
二つ、不明。
成瀬千早の状態に依る。
三つ、不明。
《ピカレスク》の演算で弾き出した事前予想では、『一時間に一人』の蘇生が可能。
四つ、これは……優のテンション次第だね。
五つ、罠はあるけどおれがいるし、たぶん円さんたちが解除済み」
ちゃんと仕事するじゃないか、自称密偵。
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