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しかし、だ。
「コンディションがテンション次第っていうのは何だ」
「優の根性値が異常すぎて計りきれないんだよ。
あと感情値ね。
おれとやり合ったときもそうだし、さっきの橘さんのときもそうだし」
「何のことだかさっぱり分からんな。
俺超クールキャラだし」
「えっ」
「えっ」
「表で冷静ぶっててもハラワタ煮えくり返ってるときよくあるじゃん」
「…………」
否定出来なすぎて黙った。
「大体ね、優は自己犠牲精神が妙に強い癖にそれを自覚してないからタチが悪いの。
さっきだって成瀬の攻撃を食らう役を他の人には出来ないように付加価値つけて、さも自分しか出来ないって風に言うし、それに――」
くどくどくどくどと更に説教は続いた。
それもどう計算したらそんなことが出来るのか、俺が反論する先々を見通したかのように理論立てて言い訳を潰し、潰し。
詞音もそうだったし、こいつも、昔は佐上部長や弓槻さんや……
自分が思っている以上に、周りは自分のことを見てくれているんじゃないか、と。
ふっとそう、思った。
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