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「三秒以内に出てこなければ一帯ごと爆破する!」
「ちょ、優!?」
声を張り上げ右手に炎を造り出した俺に、焦るような制止するような声を豊田が投げた。
こういうのは先手を打つのが大事だ。
「一つ!」
位置的にも、こちらは通路のど真ん中で相手はブースの影という最悪の状況。
「二つ!」
炎を両手に。
爆破するような器用なことは出来ないので、適当に炎をばらまくことにする。
文字通り、炙り出してやる。
「み」
「待てっ!」
返答があるのに驚き、ひとりでに声が潰れた。
声がしたのはやはりブースの影。
そこを注視していると、やがて諸手を上げた人間が一人出てきた。
黒のパンツに、長袖のシャツ。
更に……防弾チョッキ?フルフェイスメット??
「こちら警視庁特殊部隊、駿河」
いやいや、かの有名なSATじゃないですか。
何してんすか。
「こちらキャット所属、春日」
よく見れば挙げた手に警察手帳が広げられている。
薄暗くてよく見えないが本物のようだ。
「テロリスト潜伏の通報を受け突入、また、治安維持組織側の動向も連絡を受けている」
マジスカ。
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