第二場

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第二場

中央に木。 未歩、上手から本を読みながら登場。 未歩「私は死んだ…。次の私が、次の彼に逢えるよう、祈りを込めながら…。」 リディス「ラヴィ!」 やってくる未歩に気付いて、木の傍に居たリディスは未歩に声をかけるが、未歩は気付かない。 リディス「ラヴィ!ねぇ、ラヴィってばっ!」 未歩「え?」 リディス、未歩の目の前に立っている。 リディス「良かった。やっと気付いてくれて。今朝も黙って行っちゃったから、見えてないのかと思ったよ。」 未歩「?え?」 リディス「逢えなかったら、どうしようかと思ってたんだ。あの時は、本当にごめんね。ラヴィは知らないかもしれないけど、僕は下界にこの木があったから、神界に逆戻りしちゃうしさ…。」 未歩「あの、人違いじゃあ…。」 リディス「でもね、それから僕、神界を追放されちゃって、ずっとここに居るんだ。でも、辛くなんてなかったよ。ずっと、ラヴィの事待ってたから。また逢おうって約束したもんね。」 未歩「あの…。」 リディス「ずっと、楽しみにしてたんだよ?ラヴィに逢うの。…でもね、せっかく逢えたのに…。実は、僕ね…。」 未歩「あの!あなた誰ですか!?」 リディス「え?何言ってるの?僕だよ、リディスだよ。」 未歩「リディス?外人さん?変わった服着てるし。…あれ?でも、どこかで会ってるような…どこだっけ…。」 リディス「ラヴィ?」 未歩「あ!思い出した!夢に出て来た男の子だ!すごい、里奈の言った通りだ。」 リディス「どうしたの、ラヴィ。何か変だよ。」 未歩「私は未歩。植田未歩。ラヴィじゃないよ。」 リディス「何を言ってるの?僕をからかってるの?」 未歩「からかってなんか…。」 リディス「それじゃあ、らラヴィは、僕の事忘れちゃったの?」 未歩「ラヴィ、ラヴィって私は…あーー!」 リディス「な・何!?」 未歩「この本の中の女の子、ラヴィって名前なの。」 リディス「何、言ってるの?ラヴィは、君の名前…。」 未歩「本当なの。ほら、見て。」 未歩、リディスに本を見せる。 リディス「…何これ…。」 未歩「本。」 リディス「違うよ。そうじゃなくて、何で僕らの事が書かれてるの?」 未歩「?僕らの事って…。そういえばこの本の中の男の子、リディスって名前だ。…?じゃあ、これって実話って事?」
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