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第一場
目覚まし時計の音。
同時にステージライト。
未歩(声)「うわっ!大変!待ち合わせに遅れちゃう!!!」
上手から亜矢、登場。
亜矢「…。あれ。未歩がまだ来てない。いつも、1番なのに…。(少し考えて)…途中で何かあったのかな…。事故に遭ったのかも!?…いや、だとしたらもっと騒がしいはずだし…。あ、もしかしたら、途中で転んでるのかも…。うーん、未歩なら有り得る。ドジだし…。」
下手から、里奈登場。
亜矢、気付かず独り言。
亜矢「とにかく、未歩が時間に遅れるなんて、変!里奈じゃあるまいし。…ちょっと、そこまで…。」
里奈「私がなんだって?」
二人、ばっちり目が合う。
亜矢「…。」
里奈「おはよ。」
亜矢「…おはよう。」
里奈「あれ、未歩は?」
亜矢「まだ来てない。」
里奈「…何だ。せっかく不思議な本持って来たのにな。未歩の奴、寝坊でもしてんのかな。」
亜矢「(ボソッと)まさか。里奈じゃあるまいし。」
里奈「は?何か言った?」
亜矢「別に。それより、やっぱり変よ。未歩が遅れるなんて。…どうしよう、事故に巻き込まれて…いや、或いは、いかにもヤクザです!みたいな、怖い顔の人に誘拐なんてされて、身代金目当てにどこかに監禁!なんて事になっていたら!」
里奈「あの、ちょっと?」
亜矢「あぁ、それとも、ここへ来る途中で偶然、怪しげな組織の取引現場を目撃してしまい、変な薬を飲まされて身体が幼児化したあげく、今頃、その辺をさまよっているのかも…」
里奈「お前、それテレビの見すぎ。」
未歩(声)「里奈ー!亜矢ー!」
未歩、下手から走って登場。
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