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第一に目に入ったのは真っ白で無機質な天井だった。
響馬は妙な暖かさに目を覚ます。
ぼんやりと天井を眺めながら状況を整理する。
無機質な天井の手前にアルミ製であろうパイプがある。
そこにS字のフックが固定されており、ビニール製の袋に透明の液体が入っている。そこから伸びた細いチューブは、途中四角い装置を通り、響馬の左腕へと繋がる。どうやら点滴のようだ。
四方は天井近くにある銀色のレールからぶら下がるクリーム色のカーテンで覆われている。
明らかにそこは病室らしい事だけは響馬にも確認出来る事だった。
「ここは………」
暫くしてようやく今までの事が思い出される。
「…!……絋瑠!?」
自分と一緒に倒れていたはずの友人の名前を呼ぶ。
「……響馬…?」
隣から聞こえる少し間の抜けた声。
右手で乱暴にカーテンをめくる。
「やっほー。」
絋瑠は響馬に向かって手をヒラヒラとさせて振る。
その時、その部屋のドアがスライドし、一人の女性が入って来た。
「気付かれました?御気分は如何です?」
女性は一目で看護師と判る服装をしていた。
束ねられた髪はナースキャップに収められ、機動性に優れるよう、下がズボンタイプのナース服だった。
「初めまして。私は看護師のイズミと申します。」
折目正しくイズミは響馬と絋瑠に向かって挨拶をした。
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