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風は荒れ、それに連動するかのように雪は容赦なく全てを白に染めて行く。
360度何処を向いても白しか存在しない世界。
そこに2つの影が揺らめいた。
背丈は高い方で、しっかりとした体つき。
二人共言葉少なにただただ歩いていた。
二人の脳裏には朱い脅威と人々の叫び声しか浮かんでいなかった。
そんな二人も体力には限界がある。
豪雪の中は簡単な防寒で歩くには無理があったようだ。
二人は今にも倒れてしまいそうだった………。
下ばかり見ながら進んでいると、ふと急激に暗くなる。
同時に吹雪も少し治まる。
「………船?」
顔を上げた二人が見たものは巨大な船だった。
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