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村に帰るとそこは地獄絵図かと思わせるような光景が二人を襲った。
しかし二人が村を出る時、村は平穏そのものだったはずだった。
「う……」
微かに聞こえる呻き声。響馬は声の主である老人に駆け寄る。
「長老!」
老人は二人に抱えられ、火の手が回っていない木陰へと移る。
「長老!何があったんですか!?」
「奴らが…」
長老はかすれた声で話し始める。
「奴らが…イーグルが…」
「イーグル!?」
イーグルとは空版の暴走族で、本拠地を持たない。
村を襲う事も稀にあるという。
それが何故今響馬達の村を襲っている。
「長はもう…捕まった…お前達だけでも…逃げなさい……。奴らに……気付かれる前に…。」
「では長老も……。」
絋瑠の提案を長老は断る。
「ワシは…残る……。ワシの顔は…奴らに割れとる。まだ割れとらん……お前達だけでも………。ここならワシは安全だろう…じゃから………。」
二人は長老を残し、助けを求める事にした。
そうして二人は長老を残す事に心苦しさを感じながらも
雪の中へと消えた……………。
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