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結城と理加は中学3年になった。
この時、二人は同じクラスになっていた。
だが、やはり二人が喋る事はなかった。
結城は同じ剣道部の女の子と話し、理加も2年の時同じクラスだった子と話していた。
そして、二人が言葉を交わす事なく、2ヶ月が過ぎ体育祭が迫ってきていた。
結城は体育委員長ではなく、体育委員だったから特別仕事がある訳ではなくただ人手が足りない時に駆出されるぐらいだった。
そして理加は、クラスの女子学級委員長を勤めていた。
理加が学級委員になった事を結城が知ったのはこの頃だった。
そして、体育祭が明日に迫った日。
この日の一限目は自習。
結城はその自習の時間を持て余していた。
結城の席は窓側の列の後ろから2番目。
窓から見える景色を眺めボーっとしていた。
周りに人は居らず、他のクラスに遊びに行っているのか、クラスに人があまり居なかった。
そんなクラスを結城が見渡していると、ふと理加が目に入った。
《…誰だっけ?》
結城は何故かその時、強く理加に興味を持った。
理加は勉強をしているのか、ノートと問題集を机の上に出して何かを書いていた。
《………》
結城はなにを思う事もなく、席を立った。
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