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男は叩かれた方の頬を押さえ、苦痛に顔を歪めた。
レイコ「最低ッ!」
麗子はスッと立ち上がり、私の腕を掴むと、早歩きでその場を去る。
引っ張られながら、男の方を振り返ると、男は笑った。
その笑い顔を見て背筋がゾクッとした。
ミヤ「大丈夫?」
レイコ「ファーストキスだったのに……」
ミヤ「えっ!? ファーストキスだったの?」
麗子はコクッと頷くと泣きそうな顔でこちらを見る。
うっ……反則なくらい可愛いんですけどッ!
麗子の頭に手が届くか微妙だったので、背中を擦った。
ミヤ「麗子、ごめんね。私が早とちりしたせいで嫌な思いさせちゃって……」
レイコ「なんで美弥が謝るの? 美弥は悪くないよ。悪いのはアイツよ! いきなりキスするとか……ほんと最低!」
麗子を宥めながら、体育館へと向かう。
私達が去って行った後、その男に近付いてくる人がいた。
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